翌日訪れた川奈邸には、見たことのない小さな女の子がいた。
その瞬間を、僕は今でもときどき、鮮やかに思い出すことがある。
陶器のように白い肌と、サファイアの色をした瞳。
ブロンドの髪がゆるく巻いているのは生まれつきなのだろう。
ブルーのワンピースの上からでもわかる、驚くほど華奢な体つき。
白いエプロンが、子供の頃に読んだ童話の主人公を思い出させる。
そして何よりも、その整った顔立ち。まるで精巧な細工の人形が動いているようだ。
紅茶を運んできたのは、小さな女のコ……。
あまりにも可憐なその子の美しさに、僕は文字通り息を飲み──魅せられていた。